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お針箱まわり
by chloe_patricia
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2010年 第十土曜日

 フランスの裁縫用具の会社にサジューとものがありました。倒産したのか低迷なだけだったのかはわかりませんが、世の中から姿を消したらしいのですが最近復活した模様。アクリル製の真珠母貝風の握りの手芸鋏などが日本にも入っているようですから、ご存知の方も多いでしょう。詳細は存じませんので、会社自体は復活していなくてもしかしたら製品だけ復刻品をどこか別のところが作っているのかもしれません。
 そのサジューが扱っていた商品および、フランスのアンティーク手芸品をまとめた本を図書館で借りました。「サジューのお裁縫箱」という題名のほとんどが写真という本です。著者はフレデリック・クレスタン=ビエという方でフランス語からの翻訳本です。日本語がちょっとこなれていない部分がありますが、手芸用品や工芸品がお好きな方ならきっと楽しんでみていただけると思います。「見ていただける」で「読んでいただける」でないところにご注意。写真が主で、読むところはそれほどないのです。
 アマゾンでおすすめとして出てきたのがきっかけでした。正直言って初めは期待していなかったのです。日本の本によくありがちな雰囲気だけを演出した物ではないかと軽く思っていたら大間違いでした。副題に「見ているだけでしあわせになれるフランスのアンティーク手芸用品」とありますが、本物のアンティークもたくさん掲載されています。中古ではなく骨董です。日本語の「アンティーク」という言葉が昨今乱用、誤用されているのはかなしいことですが、この本の掲載品は本物。もちろん大量生産時代のもの、特に糸や糸巻きカードなどは作られた時代が比較的最近ですから、これらは別ですけれど。
 素敵な物はいくつも掲載されていますが、鋏が素晴らしいです。15世紀やそのほかの時代(お恥ずかしいことですがフランスの歴史は疎いもので、シャルル10世といわれてもいつのことかわかりません)工芸品の鋏も素敵ですが、飾りのない「刃物」として並んでいる写真が見事です。そのほかテープメジャーのケースや針山など、実物を見てみたいと思わせるものばかり。写真ではなく、精緻なイラストのボンマルシェの広告カタログも素敵です。
 買ってなんどか読み返したい思うほどではありませんが、ちょっと心ひかれる本です。スペースの関係上できるだけ紙の本は増やさないことにしていますので、また見たくなったら図書館にお世話になることにします。
by chloe_patricia | 2010-03-06 12:38 | 読書
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